コロナウイルス感染かなと心配になったとき(受診の前に)
新型コロナウイルスの感染を心配される場合ですが・・
医療機関を受診する前に、知っておいてもらいたいこと、心がけて頂きたいことがあります。
まず、一般の診療所では新型コロナウイルス感染を疑った場合、診察・診断はできません。当然うちも出来ません。
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新型コロナウイルス感染を診断するPCR検査は保険適応となりましたが、医師が必要と判断した場合に、都道府県が指定する医療機関のみで実施されます。
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以上の事から、“コロナウイルス感染ではない”という診断をもとめての受診、特に通常は自宅の安静で治しているような症状で、医療機関を受診されることは控えて頂くのがよいと思われます。
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なぜなら、病院に人混みを作らないことで、体調不良で受診してくる乳幼児や高齢者、基礎疾患のある人をコロナウイルスから守れるからです。
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もちろん、症状が4日以上長引いているとか、倦怠感が強い、息苦しい、食事がとれないなど、症状が重いと感じるようでしたら、迷わず医療機関を受診してください。
お子さんを見守っていただいているお父さん、お母さんへ。お子さんの症状に気になることがあり、親として病院に行こう!と思われた場合は、迷わず受診してください。このような情報をお伝えして療養の指導を行い、患者さんに安心していただくのが私たちの役目だと思っていますので。
新型コロナウイルスについて知っておいてほしいこと
先日、県内でも新型コロナウイルス感染者が確認されました。
今後、新型コロナウイルスにかかったのではないかと心配され、受診を希望される方も出てくると思います。また、医療機関を利用すると新型コロナウイルスに感染するかもしれないと、受診を控えられる方もおられるでしょう。
新型コロナウイルスに関して、これから身近な問題になりそうなことや、医療機関を受診するときに心がけて頂きたい一般的なことをまとめました。
- 1) まず、感染者が増えているといっても、現状では流行地域が散発的にみられる程度です。一般的な生活を送る場合、感染の危険はそれほど高くないと言えます。
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2) 例えば日本環境感染学会によると、患者のそばを歩くだけでは、暴露リスクは無しと判断します。また、おたがいがマスクを着用せずに、1~2分間新型コロナ患者と会話した時も、暴露リスクは低リスクです。(ただし、咳こんでいたらリスクは上がります)
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3) 罹患した場合も大多数は軽症・無症状で経過します。
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でも散発的な流行で封じ込めないと、無症状か軽症で経過する感染者が多数発生します。やがては大流行につながります。そして、ハイリスクといわれる高齢者や基礎疾患をお持ちの方から、重症者や死亡者が増加するでしょう。また、流行阻止のために、さらに社会・経済活動が制限されれば、景気全般・雇用や賃金などにも影響が出かねません。
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以上の事から、新型コロナウイルスを恐れすぎることなく、しかし私たち(自身・家族・隣人)の生活と健康を守るためには、やはり予防が大切になります。
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予防については、飛沫感染対策、接触感染対策などと標準予防策につきます。
予防策については、正しい方法を知って頂く必要があります。
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以下のページを参考にしてください
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首相官邸
新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~
一般的な事柄、相談窓口の情報など
東北医科薬科大学作成
より詳しいマスクの扱い方・注意点(8ページ以降)などが記載されている
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環境整備について
厚労省
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家庭内に感染者が出たとき、環境整備などについて
国立感染症研究所
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やや専門的な記載ですが自宅での対策・環境整備が記載されている
お子さんの「かかりつけ医」をもちましょう
「かかりつけ医」とは、病気になった時や健康に不安があるときに、すぐに相談できる一番身近なお医者さんのことです。
単に病気の診療をするだけではありません。
「かかりつけ医」は一般的な病気の治療と健康相談や最新の医療情報を提供する窓口になります。また必要があれば、患者さんと大きな病院との懸け橋にもなります。
「かかりつけ医」がいれば、病気になった時や健康に不安があるときにスグに相談できるのです。
それではどのように「かかりつけ医」を選んだらいいのでしょうか?
いくつかのポイントをあげておきますので参考にして下さい
(1)距離的に近く診療時間帯にかかりやすい
家や保育園・幼稚園に近いとか、曜日や時間の都合がいいかどうかというのは、おそらく一番多くの人が重視することでしょう。
(2)病状の説明がわかりやすく質問しやすい
実際の距離だけでなく、心理的な距離も大切です。遠慮なく色々なことを相談できる医師がかかりつけ医に向いています。 なかなか治らない時に、初めにかかった医師に「もらっている薬ではよくならない」とか、「こんなに調子が悪いことが続くのはなぜでしょう?」と率直に聞くことができるといいですね。
(3)小児科専門医である
小児科の専門的な勉強と経験を積み、日本小児科学会の試験を受けて認められた医師は、「小児科専門医」と掲げています。病気の診察だけでなく、乳幼児健診も子どもの成長と発達をよく知る専門医にしてもらったほうがいいですね。
(4)適切なタイミングで他の医療機関を紹介してくれる
子どもの場合、内科だけでなく、皮膚科や耳鼻科などに関連する病気にもよくかかります。専門の医師でなくても、ひとまず子どものことならなんでも相談できるといいですね。さらに必要な場合は、速やかに別の医療機関を紹介してくれるのが望ましいです。
(5)看護師、診療助手、受付の方の知識や対応がよい
急な受診をお願いしたときや、待合で体調が悪いときに、診療所の職員に親切に対応してもらえた。また医師に聞きそびれたことも気軽に相談できる職員がいてくれる。これはその診療所が持っている、医師だけではない看護師さんやスタッフの総合力です。これもかかりつけ医を選ぶ時のポイントになるでしょう。
わたしたちあいさか小児科は、医師・スタッフが皆様から「かかりつけ医」として支持して頂けるように努力いたします。
なお、常時「小児科かかりつけ医登録」を行っていますので、詳しくは受付・診察室でお問い合わせ下さい。
救命救急の勉強会を行いました
成人男性の風しん抗体検査・予防接種について
実は、昨年から風しんが再流行する兆しを見せています。もし妊娠初期の女性が風しんにかかると、赤ちゃんに先天性風しん症候群という病気が発生することがありますが、この病気の発生数は風しんの流行と明らかに一致するのです。
これを防ぐためには、妊婦さんが風しんにかからないようにすることが重要で、妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲から、かかりやすい人たち(風しんにかかったことがなく、ワクチンを打ったこともない方)を減少させる必要があります。
残念なことに、1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日生まれの男性は予防接種を受ける機会が無かったので、抗体保有率が低いのです。
つまり、現在妊娠する可能性のある女性のパートナーの男性は、抗体がない上に風しんにかかったことがない方が多い=風しんにかかる恐れのある方が多いということになります。
感染拡大を防止するためには、まずこれらの30~50 代の男性に蓄積した風しんにかかりやすい人たちを早急に減少させる必要があります。
このため厚生労働省は、これまで風疹の定期接種を受ける機会がなかった昭和37(1962)年4 月2 日~昭和54(1979)年4 月1 日生まれの男性(現在40 歳2 か月~57 歳2 か月)を対象に、風疹の抗体検査を行い、抗体価の低い人には風疹ワクチンを定期接種として行うことを発表しました。費用はかかりません(無料)。
当院でも抗体検査、予防接種に協力しています。
ご希望の方は、通常診療の予約で結構ですので、書類をご記入の上、クーポン、居住地の分かる物(免許証など)をご持参の上、来院して下さい。
おねしょについて思うこと
最近、夜尿症(おねしょ)で治療をさせていただく方が増えました。
印象としては、ホームページをリニューアルして、おねしょに関する記事をのせてから、患者さんがどっと増えたという感じです。
おねしょを発症される方が急に増えるということはないので、おそらくご家庭の中で“治る時”がくるのをひたすら待っておられた患者さんが、記事を目にされたり、ウワサを聞かれたりして本院を受診されるようになったのだと思います。
おねしょは小学校1年生では、約10%のお子さんにみられるので、1クラスに3人程度はいることになり、実はかなり困っておられる方がおられます。おねしょ(夜尿症)があると、自分自身を評価する気持ち(自信)が、一般的に低くなりやすく、学校での活動性、学業などにネガティブな影響が出ることがあるといわれています。
しかし治療を行うと、自然に治るよりもずっと早く治せることもわかっています。
実際、患者さんにキチンと夜尿のメカニズム、生活改善のポイントをお話しすると、それだけで“治った!”と言われることもあります。また、夜尿の原因を正しく推定して薬剤による治療を行うと、自然に放置した場合に比べて1年後には、約4倍多く治ることがわかっています。
“治った”と言ってもらえたとき、子どもさんが本当にうれしそうな顔をしてくれるのを実感できるのが、夜尿の診療を行っていてやりがいを感じる点です。
もし、この記事を読んでご興味をもたれたら、一度相談されることをお勧めします。最初の受診はご家族だけでもかまいません。
今年も噛まれました
アレルギー免疫療法について
免疫療法について
先日の研究会で、免疫療法の最新の治療成績や知見について勉強してきました。自分の知識の整理のためにも、免疫療法について少しまとめておこうと思います。
一般的なアレルギーに対する治療薬は、抗アレルギー剤と言われる物が中心で、症状を緩和するために服用しますが、アレルギーそのものを治す事はできません。
これに対して免疫療法を適切に行うと、
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① 治療効果が長期間持続し、今まで使っていた薬を減らしたり、生活の質を向上させることが期待できます。
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② また今後、他のアレルギーが起きることを抑制できる事が、報告されています。
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③ 小児でダニアレルギーによる鼻炎があると、今後喘息を発症するリスクが高まりますが、免疫療法を行うことで喘息の発症頻度を抑制できることが、報告されています。
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というわけで、今までの治療は “その場をしのぎ” (語弊があるかもしれませんが・・)であるとすれば、免疫療法は“根治”や“他のアレルギーの発症予防”が期待できる治療であるといえます。アレルギー性鼻炎の治療ガイドラインでも、症状の軽い重いを問わず実施できることになっています。
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現在、免疫療法にはスギ花粉症とダニアレルギーに対する治療薬があります。最近になって適応年齢が引き下げられ、小学校低学年くらいの子どもさんから実施できるようになっています。一般的に、若年者の方が得られる効果が高いといわれていますので、他のアレルギーを予防する点からも、子どもさんにお勧めできる治療だと思います。もちろん健康保険が適応しますので、普通のカゼと同じような自己負担の範囲で治療ができます。
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ただし、“体質”を変えてアレルギーを治すわけですから、短期間では効果は出ません。
WHOの見解では3~5年を目安に、自己判断で中断せずに行うこととなっています。
うちのクリニックでも免疫療法のメリットと、長期にわたり治療を継続する心構えが必要であることを説明してから治療を行っています。
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ともあれ、今までのアレルギーの治療薬が、その場の症状を抑える対症療法であったことから考えると、長期にわたり症状を緩和し、新たなアレルギーの発生を予防できる免疫療法は、今後のアレルギー診療において、ますます普及していく治療法であることは間違いないと思います。
発熱と熱中症について
今年はまれに見る酷暑ですね。
ニュースでは毎日のように熱中症による救急事例が報道されています。
クリニックでも、高熱でぐったりした患者さんが来院されると、
熱中症でしょうか?という質問をよく受けています。
でも、そのほとんどは夏風邪などの感染症です。
そこで、今回は熱中症について正しい知識をおさらいしてみましょう。
熱中症とは
高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、
体内の調整機能が破綻したりして、発症する障害のことです
そしてその症状は 軽いものから順番に以下のようになります。
I度
めまい・立ちくらみがある
筋肉の「こむら返り」がある。痛い
大量の発汗
II度
頭痛がする
気分が悪く、吐き気・嘔吐がある
しんどい
III度
呼びかけや、刺激への反応がおかしい
けいれんする
高い体温である
ということで、熱中症で高体温の状態になるのは、重症であると言うことになります。
クリニックに来院される程度の熱中症では、めまい、頭痛、倦怠感などの症状が多く、
程度もひどくないものが多いようです。
最後に、熱中症は予防が大切なことはご存じのことと思いますが、
熱中症を疑ったときの初期対応を記載しておきます。
1) 涼しい環境への移動
2) 脱衣(熱の放散を助ける)と冷却(水をかけたり、氷嚢を利用する)
3) 意識がはっきりしているようなら、水分・塩分を摂取する
以上、参考にしてください。
花いっぱいに・・
毎年、医院前の歩道の花壇に花を植えていました。
今年は何を植えようかと迷っているうちに、
職員さんが苗を買ってきて植えてくれました。
お隣の薬局さんへの歩道が、とても華やかになりました。
ウッドデッキのプランターにも花を植えました。
梅雨時期にも明るい雰囲気になりますように・・。